夏ゲーのすゝめ

 

はじめに

 これを読んでいる皆さんは、今年は夏を思う存分満喫できただろうか。コロナの影響もあり、外出を自粛していて全く満喫出来ていないという人たちも少なくないだろう。僕もその一人だ。そこで、活躍するのが...エロゲだ。やはりエロゲしか勝たん。この記事では、夏を舞台にしたエロゲを紹介することで今年も夏を十分に満喫できるよう皆さんをサポートしていこうと思う。決して8月のはじめに書こうとしたけどめんどくさくて後回しにしていたわけではない。 

  •  夏、そして田舎への憧憬

 眩しい日差し、蝉の声、透き通る青、生い茂る緑、向日葵畑、風鈴の音、西瓜、花火。夏×田舎というだけでこれほどまでに魅力的な要素が抜き出せる。海沿いの港町の夏と山奥の村での夏でも違った味わいが楽しめる。今回はそんな夏を味わえるゲームを少しだけ紹介していく。

 

  •  紹介する作品の基準

 夏ゲーといっても多種多様な作品がある。車輪の国、黄昏のシンセミア夏空のペルセウスといった、美少女ゲームを嗜む人間なら誰もが名前を聞いたことがある超王道の夏ゲーから、何とは言わないが雰囲気だけで中身がスッカスカなものまで様々だ。が、そんな王道とかマイナーとかどうでもいいので自分がめっちゃ夏を感じた作品だけを選んでいく。夏さと田舎さの他に、どれだけ夏を感じられるまったりした時間を過ごせるかも重視する。

 

夏雪 ~summer_snow~

Amazon | 夏雪-summer snow- | アダルトPCゲーム | ソフトウェア

夏度:☆☆☆★★

田舎度:☆☆☆☆★

シナリオ:☆☆☆★★

まったり度:☆☆☆☆☆

 

 Silver Bulletより2011年に発売された『夏雪 ~summer_snow~』。OPが西沢はぐみさんということもあって、名前は知っているという人も多いのではないだろうか。実際僕も曲から知ったクチなのでお仲間である。以下あらすじ抜粋

今が夏の盛りと、あたり一面さんざめく蝉の鳴き声――。
海と山が程近い田舎町・宝来町に主人公・‘沢渡葛’は今年もやってきた。
幼い頃、両親と喧嘩したのをきっかけに、一枚の年賀状に書かれた住所をたどって訪れた町。
その夏出逢った、白く透けるような肌の少女は、僕の……姉になった――。
少女の名は‘夏雪’(なつき)。

 

夏がくる度に葛は夏雪の元を訪れた。
二人で海に潜ったり、虫取りに行ったり、花火をしたり。
くり返される夏、想いはいつしか姉弟のそれを越えた、秘め事となる―。
年を経る毎に美しくなる姉。男になって行く弟。二人の間に育まれた絆と、恋心。
想いはいつしか、どちらからともなく重なりあって……。
むせ返るような夏の夜、姉と弟が繰り返す禁じられた行為。
それはまるで、雪のように白く、淡く、儚く消え行く、ひと夏の夢―。

 

 これだけ見ると、夏雪ちゃんと夏の暑さと共に溶けるようにえっちするだけかと思うが、ちゃんとした恋愛模様が描かれているのでそこは安心して欲しい。このゲームの大きな特徴としては、幼少時代と成長後の2つの時代で描かれているという点だ。メインはもちろん成長後なのだが、幼少時代の夏雪ちゃんが死ぬほど可愛い。あんな可愛かった夏雪ちゃんがこんなに大きくなって、色んなとこが大きくなって...と興奮する人も少なくないだろう。僕は興奮した。

 蝉の声が響き渡る夏の田舎町、プレイするだけで暑くなってくるような錯覚さえ感じられるかもしれない。今ならFANZAで半額です、是非。

 

夏少女

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夏度:☆☆☆☆★

田舎度:☆☆☆☆☆

まったり度:☆☆★★★

以下あらすじ引用

ある夏休み、主人公、瀬川真人(せがわ まさと)は、同じ天文部の友人、結城樹一郎

(ゆうき じゅいちろう)に誘われ、樹一郎の田舎である上郷町を訪れる。

 

その町で、真人が出会う3人の少女―――。

茶店『こかげ』の元気娘、芹沢明希(せりざわ あき)。

真人の宿泊する老舗旅館『みやこ』の娘で、樹一郎の妹、結城京(ゆうき みやこ)。

クールでどこか謎めいた雰囲気の少女、東絢水(あずま あやみ)。

 

自然の豊かな田舎町で、楽しい夏休みを過ごした真人は、次の夏もまた来ると約束して、

上郷町を去った。

 

そして、次の夏休み。

上郷町を訪れた真人は、再び出会う。

一年の月日の分だけ、大人へと近づいた少女達に……。

 

 

 PULLTOPより2003年に発売された『夏少女』。原画は皆大好き『遥かに仰ぎ、麗しの』の藤原々々先生が担当している。理想の山奥の田舎を体現しており、背景だけでも雰囲気を味わえる。

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公式サイトより引用

 先ほどの夏雪が成長2段階だったのに対し、こちらは3段階にヒロインが成長する。ポケモンの最初の三体並みの伸びを見せるのだ。ヒロインが成長して”少女”から”女”になっていく様を見届けられるのは大変に気分がいい。(ルナ様)

 田舎という何もない場所なのも相まって、大半が初手青姦なのが僕としては惜しいが、それを置いといても本当に雰囲気の良い作品なので是非ともやってみて欲しい。

 

夏音 -Ring-

 

夏度:☆☆☆☆☆

田舎度:☆☆☆★★

まったり度:☆☆☆☆☆

 Breeze!!から2005年9月に発売された『夏音 -Ring-』。前作に『夏音 -Overture-』、『夏音 -June Strange Song-』があり、どちらも本作の予習作のような内容になっている為、本作だけでも楽しめる。しかし、前作のどちらも面白く、特にOvertureの方は本作に出てくるとある二人の出会いを描いている為出来ればやって欲しい。

以下あらすじ引用

 

七月の終わり。
都心から二時間ほどの小さな街、百合ヶ浜。
この街に、百合ヶ浜学園という私学がある。毎年、全国大会へ選手を送り出している水泳の名門だ。男子は中程度だが、女子は強い。
その三年に、三雲響という男子生徒がいた。
最近まで男子水泳部に所属していた響だったが、今はもう部を引退し、知らず溜息のこぼれる受験生ライフを送っている。
 六月二十日、県大会。
全国大会の予選とも言えるこの競技会で、百合ヶ浜学園は大敗を喫した。
今年、全国出場の切符を手に入れたのは、女子部三年のエース、星崎彩音、ただひとりのみ。
男女供に、他の全員が敗退してしまった。

 全国大会出場を目指して、三年間、水泳に打ち込んで来た響の夢も、この日、終わった。
夢が潰える、それ自体は、そう難しく考えるほどのことでもない。
どんな理由があるにせよ、自分の力が足りなかった、ただそれだけのことだ。
空虚の穴は、押し寄せてくる日々に身を任せていれば、自然に埋まっていく。
多分、この世の中の殆どの人は、そうして生活に埋もれ、ただ、それだけで人生が終わって行く。

 県大会からひと月が過ぎ、一学期が終わる頃になってようやく、響も、「まぁ、そんなものかな」と思えるようになっていた。

 (中略)

 結局のところ、響の生活は、相変わらずだ。
プールで泳ぐことがなくなったとか、水泳ではなく受験の参考書を買うようになったとか、その程度の変化を、難しく考えることはない。
どうしても日々は過ぎて行く。
受験のことを考えると頭が痛いが、それは、至って普通、ごくごく日常的、なこと。

 校舎へ向かう坂を登れば、海の方からゴスペルが響いて来るような街、百合ヶ浜。
五月にはもう海も開くようなこの土地で、響や彩音鈴菜たちの夏休みが始まろうとしている。

 

 公式サイトからのあらすじの引用だが、あらすじから既に分かるようにテキストの癖がなかなかに強い。非常に遠回しな言い方を多用するのだが、それがこの作品に非常に合っているのだ。

 夏音の特徴に、独特な進行リズムというのがある。従来のよくある作品では、場面が変わっても1クリックするとすぐ次のテキストに進む。しかし、この作品の面白いのが、場面が変わるごとに「ザァァァ...ザァァァ...ピュオォォォ」といいうように波の音やカモメの音など環境音が挟まるのである。本来のテキスト量はそこまで多くないのだが、演出が長いために非常にボリュームがあるように感じる。ドロドロした長ったらしい夏を感じたい人にオススメ。今日の風 明日の色 / みとせのりこという曲の使い方だけは赦していないのでBreeze!!さんは反省して復活&続編の制作をしてください。

 

この作品の魅力を語るのにはこれではまだまだ足りないが、魅力を存分にブログに書いた先駆者様が居るのでそちらを是非とも読んでみて欲しい。

blog.livedoor.jp

 

残暑お見舞い申し上げます。 ~君と過ごしたあの日と今と~

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夏度:☆☆☆★★

田舎度:☆☆☆☆☆

まったり度:☆☆★★★

 

  この記事を書いたのは夏音とこの作品を布教したかったからと言っても過言ではない。めろめろキュートから2008年に発売した、『残暑お見舞い申し上げます。 ~君と過ごしたあの日と今と~』。以下あらすじ引用

 

区画整理と再開発で、周辺一帯と共にダムに沈むことが決定した「あさひな学園」。
この学園に通う、ごく平凡な学生である主人公は、今まで過ごしていた
「平凡でくだらない日常」がどれだけ大切であるか、どれだけ掛けないのないモノであるかに気づかされる。
「過ぎゆく日々をいたずらに生きるだけではなく、自分たちにも何かできないか?」
そう考えた彼は「最後の記念(=思い出)に映画をとろう!」と仲間たちに呼びかけ、
夏休み最後の一週間を学園に泊まり込むこととなった。
仲間たちとのドキドキの共同生活、くだらなくも楽しくかけがえのない日々……。
やがて消えゆく思い出と、その先にある未来へと続くピュアなラブストーリーが始まる——。

 

 ヒロインによってシナリオライターが違い、『戦極姫シリーズ』ののがみとしあき先生と、『グリザイアシリーズ』の藤崎竜太先生の二人に分かれている。PULLTOPの『遥かに仰ぎ、麗しの』の本校、分校√みたいだと言えば分かる人も居るかもしれないが、ライターによって全くシナリオの質が違う。のがみ先生の方も田舎でバカやってるのがなかなか面白いのだが、やはり見どころは藤崎先生の担当している方だ。

 鳴子華菜というヒロインのシナリオを4割、矢木沢壬生というヒロインを9割担当している。華菜√も読みごたえがあるのだが、個人的には壬生√の面白さがずば抜けており、この作品の魅力の7割と言ってもいいレベルかもしれない。村のガキンチョと川でワイワイやったり、おじいちゃんおばあちゃんたちの事を手助けしたり、全員顔見知りな田舎の村の夏を思う存分楽しめる内容となっている。それでいて、ヒロインの壬生が本当に可愛い。黒髪ロングが性癖な僕だが、この性癖を持っていなくても恐らく彼女に惚れていただろう。そして文句なしのシナリオ。奇跡なんて起こらない儚いシナリオが、とても綺麗で美しい。藤崎先生らしい物語となっているのでプレイして僕と語り合いましょう。

 

おわりに

 見返してみると、10年以上前の作品ばかりになってしまった。最近の作品でも紹介したいものは多いのだが、最近のものを事細かく紹介するのもどうかと思うし、紹介したいのがここら辺のラインだったのでしょうがない。最近のがいい!って人はここから夏のイノセンス!、夏空のペルセウス、天気雨などをやってみて欲しい。え?ここ夏天気雨5年前?夏ペルは8年前???......いや、うっそだぁ。

 まぁともかく、この記事が過ぎ去った夏を追体験する手助けになれば幸いだ。